
私のダイエットの話の続きです。第一話はアルコールとの決別。
これでも体重は落ちたものの、さらに落とすために、食生活の見直しが不可欠でした。毎日の食事、忙しい中でバランスを考えて準備するのは本当に大変です。
なので、意識したのは、決して複雑なことではありません。「シンプル化」と「賢い食材選び」です。無理なく、美味しく続けられる方法を見つけることが大切だと、身をもって感じました。
脂質はできるだけ無理ない範囲で減らす:無理しすぎない
自宅での調理において、私が真っ先に手放したのは、油です。
ごま油、バター、オリーブオイル、マヨネーズといった油類。
これは、外食では気にせず食べるようにしています。
肉についている脂身や魚の脂身を神経質にとることはしていません。
家から食用油を排除しました。
家庭での調理は、茹でる、蒸す、レンジ。
味付けは、塩胡椒、カレー粉、味噌、醤油をベースにしました。
脂質は三大栄養素の一つであり、体にとって大切なエネルギー源ですが、摂りすぎは肥満の大きな原因となります。脂質は炭水化物やタンパク質に比べて、1gあたりのカロリーが約2倍(脂質9kcal/g、炭水化物・タンパク質4kcal/g)と高いため、少しの量でも摂取カロリーが跳ね上がってしまいます。家庭での油の使用を控えるだけでも、摂取カロリーを大幅に減らすことができるんです。例えば、炒め物を煮物に、揚げ物を蒸し鶏に変えるだけでも、摂取する脂質の量は驚くほど変わります。野菜炒めは、少量の水を加えて蒸し焼きにしたり、コンソメで煮込んだりするようになりました。鶏肉も、フライパンで焼く代わりに、蒸し鶏にする回数が増えました。
その他のルールはこんな感じです。
- ハイカロリーを家に置かない: 冷凍の「餃子、唐揚げ、とんかつ」など油をたくさん使ったもの、瓶のドレッシング、焼き肉のたれ、マヨネーズ、とろけるチーズとチョコレート、ナッツの常備をやめました。
- 栄養表示を見て「脂質15g以上」を一回に食べない:自炊のほか、私はレトルト、おやつ、菓子パンなどを食べます。レトルト、カップ麺、菓子、菓子パンやサンドイッチなどを1日2回以上食べる日もありますが、大体「1日60gくらい」に脂質を押さえておけば太らないな、と気づきました。3食に分けると一回20gになります。とはいえ自炊の肉の脂身は計らないし、食べたくなったものは食べちゃうので、一回脂質15g以上は大体NGにしておきました。
- それ以外はあまり「あれもやめる」「これも食べない」をしない: 上記のルールでも十分「結構ルールが厳しい」と感じます。ご飯をヘルシーにすると値段が上がるので、続けにくいなと思いました。経済的に進めることもとても大切なので、それ以外はあんまり決めなかったです。
- マクドナルドは「バター・マヨネーズオフ」で食べる:マクドナルドのセルフレジは「何かをマイナス」がすごく簡単にできるのです。朝のマフィンは「バターをマイナス」、照り焼きバーガーは「マヨネーズをマイナス」にして食べるようにしました。
炭水化物はちょっとだけ減らす:米や麺類から芋類・豆類へ:賢く満腹感を得る
米を減らして、その分芋や豆や野菜を増やしました。
お菓子を食べる際は、食事の主食の摂取量を調整するように心がけています。皆さんも、ご飯やパンが大好き!という方、多いのではないでしょうか。私もそうだったので、この変更は最初は少し勇気が要りました。でも、これが結果的に大きな効果をもたらしてくれました。
この変更の背景にあるのが、GI値(グリセミック・インデックス)という考え方です。GI値とは、食品に含まれる糖質が、食後どれくらいの速さで血糖値を上昇させるかを示す指標です。一般的に、白米や精製された小麦粉製品(白いパン、うどんなど)はGI値が高く、食後の血糖値を急激に上昇させます。血糖値が急上昇すると、体はそれを下げるためにインスリンというホルモンを大量に分泌します。このインスリンには、余分な糖を脂肪として蓄積する働きがあるため、血糖値の急上昇はダイエット中は避けたいところなんです。
一方、芋類(さつまいも、じゃがいもなど)や豆類(ひよこ豆、レンズ豆、黒豆など)は、白米や精製された小麦粉製品に比べてGI値が低く、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。そのため、インスリンの過剰な分泌を抑え、脂肪の蓄積を抑制する効果が期待できるのです。
さらに、GI値の低い食品は食物繊維が豊富で腹持ちが良く、間食を減らすことにも繋がりました。
白米を減らしたり麺を減らしたりして、その分、蒸した大豆、レンチンしたいも、キノコ類、ゆで卵を食べることを意識して増やしました。これが、午後の空腹感を抑え、無駄な間食を防ぐ上で非常に役立ちました。忙しい中で小腹が空くと、ついつい甘いものに手が伸びてしまいがちですが、腹持ちの良い食事を心がけることで、その誘惑を減らすことができます。
さつまいもは神
特にファミマのさつまいもには大変お世話になり、今でもお世話になり続けています。金曜日だけちょっと安いですし、絶対的に甘くて美味しい。でもやはり、スーパーのほうが安い。
スーパーのさつまいもは当たり外れがあり、レンチンのさつまいもはそのままだとボソボソなので、いろんな手を尽くして美味しく食べようと努力しました。現在のところは、ちょっとボソボソにはなりますが、「200Wで10分以上ゆっくり加熱する」で落ち着いています。朝作っておいて輪切りにしタッパーに入れて冷蔵しておくなり持ち歩くなりして食べる。シナモンやレモンを振ると味変になります。
タンパク質をしっかり食べる
食生活を見直す中で、特に意識したのがタンパク質の摂取です。タンパク質は筋肉の材料となるだけでなく、満腹感を持続させたり、代謝を上げたりする上で非常に重要な栄養素です。年齢を重ねるごとに筋肉は減少しやすくなるので、意識して摂ることが大切です。
タンパク質を摂る上では、アミノ酸バランスというものを考えることが重要です。
アミノ酸バランスも優れたタンパク質源は、動物性タンパク質、特に牛乳由来のプロテイン(ホエイプロテイン、カゼインプロテイン)や卵、肉、魚です。
タンパク質の吸収効率を評価する指標として、近年ではDIAAS (Digestible Indispensable Amino Acid Score) が注目されています。この指標で高いスコアを出す食品は、必須アミノ酸のバランスが良く、消化吸収率が高いという特徴を持っています。
特に吸収効率が高いとされるタンパク質源は以下の通りです。
- ホエイプロテイン (Whey Protein):牛乳から作られる動物性タンパク質で、消化吸収速度が非常に速いのが特徴です。特に運動後の筋肉修復・合成に素早くアミノ酸を供給するのに適しています。
- カゼインプロテイン (Casein Protein):ホエイプロテインと同じく牛乳由来の動物性タンパク質ですが、消化吸収がゆっくりなのが特徴です。長時間にわたってアミノ酸を供給するため、就寝前や長時間の栄養補給が必要な時に適しています。
- 卵 :「完全タンパク質」とも呼ばれるほど、アミノ酸バランスが非常に優れており、消化吸収率も高いです。手軽に調理できて、栄養価も高いので、忙しい朝にもぴったりです。
- 肉類 :鶏肉(特にむね肉やささみ)、牛肉、豚肉などの赤身肉は、アミノ酸バランスが良く、消化吸収率も高い動物性タンパク質の代表です。鶏むね肉は低脂肪高タンパクで、ダイエットの強い味方です。
- 魚介類:マグロ、鮭、サバなどの魚介類も、肉類と同様にアミノ酸バランスが良く、消化吸収率の高い良質なタンパク質源です。特に青魚はオメガ3脂肪酸も豊富で、健康にも良いとされています。
- 乳製品: 牛乳やチーズ、ヨーグルトなども、ホエイやカゼインを含むため、消化吸収率が高く、良質なタンパク質源となります。
動物性タンパク質よりやや低いですが、植物性タンパク質の中では、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)がアミノ酸バランスに非常に優れているそうです。
私の大好きなスパゲッティなどの小麦粉にも相応にタンパク質は含まれています。なのですが、これはアミノ酸バランスのスコアがちょっと低いのです。これは、他のタンパク質を組み合わせると良いそうです。
最初、自炊を「米を減らしてスパゲティにする」も結構やっていたのですが、アミノ酸バランスについて知るまでは、スパゲティと野菜で満足していました。
現在はスパゲッティを食べるときは野菜だけでなく、卵やシーフードミックスなどを足していくようにしています。
上記で「油がない」と書いていますよね。実は、レトルトのスパゲティソースは脂質を確認して、そんなに高そうじゃないものを普通に使っています。
食べ続けられないものは、ダイエットによくても無理だった
「ダイエットによく勧められるけれど、どうしても苦手だった食べ物」について、正直に書いてみたいと思います。
ネットやSNSを見ていると、「プロテイン」「オートミール」「バナナ」は、よく“ダイエットの味方”として登場しますよね。たしかに、栄養バランスや手軽さで見ると優秀な食材なのですが…残念ながら私は、どれもあまり得意ではありませんでした。
プロテイン
粉のプロテイン、流行っていますよね。私もいろいろ試してみました。でも、普段からミルキーな飲み物が苦手で、牛乳も常備していない。冷たい水をいつも準備しているわけでもないので、「ぬるい水+プロテイン」は、正直かなりキツい…。味もだんだん飽きてきて、結局1kg飲み切るのに半年以上かかるのです。
現在は、基本的には食材からタンパク質を摂るようにしています。
ただ、ソイプロテインのチョコ味(400g)を常備しています。これは、ちょっと食べすぎた次の日に甘いものを食べたい場合、少しの水で練って、食パンに塗っていただいたり、ヨーグルトに入れて、液体にしないようにしていただいています。また、外に長い時間いる日やジムの帰りにたんぱく質を補いたい時は、プロテインバー(ドンキやスーパーでまとめ買い)を活用しています。
オートミール
「オートミールをご飯みたいに食べるといいよ」という話、よく聞きます。私もやってみました。でも正直、それならちゃんとご飯が食べたくなりました。今は白米に雑穀やもち麦を混ぜて炊くことで、栄養と食感のバランスを取るようにしています。そちらの方が自分の好みに合っていて、無理なく続けられます。
ちなみに、オートミールってハムスターやデグー(私の大好きな小動物)も食べられるんですよね。でもデグーは食べ過ぎ注意!なので、今は非常用として「そのまま食べられるオートミール」を防災バッグに1袋だけ入れてあります。
バナナ
バナナは、味が嫌いではないし、別に食べられないわけではないんです。例えば誰かにもらったら美味しくいただきますし、たまに食べる分には美味しいなと思います。ただ、二日続けて食べようと思わないので、3〜4房で売っているものを買う気が起きません。たまに1本だけ買って食べることはあります。
嫌いな食べ物、コスパ悪い食べ物は食べなくていいと悟った
ボディメイクを始めると、「これを食べなきゃ」「これは我慢しなきゃ」といった情報に振り回されがちです。でも実際のところ、嫌いな食べ物を無理して食べ続ける方がストレスが溜まってダイエットのモチベーションが下がります。
たとえば、鶏むね肉がパサパサして苦手な方、多いですよね?そんなときは、鶏もも肉の皮を剥いて食べるという選択肢もアリなんです。
少し比較してみましょう。
食材 | カロリー(100gあたり) | 脂質 | たんぱく質 |
---|---|---|---|
鶏むね肉(皮なし) | 約105kcal | 約1.9g | 約23.3g |
鶏もも肉(皮なし) | 約113kcal | 約5.0g | 約19.0g |
たしかに脂質とカロリーは高いですが、たった数グラムです
「たんぱく質がしっかり摂れる」「おいしいから続けられる」ことを考えれば、トータルで見てメリットのある選択だと言えます。
同じように、ダイエットの情報やアンチエイジングの情報を得ていくと
すっごい美容にいい食べ物や飲み物が出てくるけどめっちゃ高い・・・
というのが往々にしてあり、ついつい飛びつきたくなります。でも、ダイエットもアンチエイジングも一時的な我慢大会ではなく、生活習慣を整えていく長期戦なので、美味しく、経済的にも無理なく、心地よく続けられるものを選ぶようにしています。